抑制矯正治療とは
成長期の小学校低学年からのお子さんが対象となる治療です。反対咬合や上顎前突や開咬などの上下顎骨の前後的や垂直的な発育に問題がる場合の方が治療対象です。
上下顎骨のバランスの取れた成長発育に導くための治療です。
抑制矯正治療 反対咬合の場合
治療内容
下顎の前方成長が強く上下の骨の前後的な位置関係の異常に対して写真上にあるようなチンキャップにより下顎前方成長を抑制しました。上顎前歯が内側に向かって萌出していたので左下写真の装置を使って前歯を前に移動しました。右下の写真は前歯の移動を助ける装置です。
費用
公的医療保険は適用されません。検査と診断と装置料を含めて\325,600かかりました。歯の移動期間は10か月で処置料は総額\55,000必要でした。この後成長終了まで3か月から6か月間隔で14歳まで成長の観察と永久歯の萌出誘導を行いました。通院回数は20回で総額\66,000かかりました。
抑制矯正治療 上顎前突の場合
治療内容
下の図にあるように上顎4前歯と6歳臼歯に危惧を装着しました。またヘッドギアーという付加的な装置を使用して下顎の前方成長の誘導と前歯の後退を行いました。
検査診断を含めて動的治療期間は2年でした。通院回数は26回でした。
費用
公的医療保険は適用されない治療でしたので、検査と診断と装置料を含めて\352,600かかりました。通院回数は検査と診断を合わせて26回でした。毎月の治療費は通院回数24回で総額\66,000かかりました。
治療上のリスク
- 装置が入ると食事中にものが挟まりやすくなります。ブラッシングを毎食後丁寧に行わないと歯肉炎やむし歯は発生のリスクが高まります。
- 矯正移動に伴い歯の根が短くなることがまれにあります。
- 治療上の注意を守らないと治療期間が長くなり、また適切な咬合状態が得られないことがあります。
- 装置を撤去後に行う保定治療を適切に行わないと歯の後戻りが起こってしまうことがあります。
- 抑制矯正治療で十分な治療結果が得られない場合には、仕上げにマルチブラケットによる治療が必要になることがあります。